10月4日に開催された「Takaoka eSports Cup-プレシーズン」第4回予選大会。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策としてオンラインで開催しました。
プレシーズンの最終予選となった今大会。
GRANBLUE FANTASY Versus(以下:GBVS)部門とShadowverse(以下:SV)部門ともに賞金をかけて戦うプレイオフ進出者が決まりました。
今回も、実況を務めた富山県eスポーツ連合の「Makio」さんに、第4回予選大会を振り返ってのお話を聞いていきたいと思います!
–前回予選大会に引き続きGBVS部門はプロの選手たちも多数参戦していましたね。
Makio:もう、圧巻のプレイとしか言いようがないですね(笑)。
こういう地方の大会にもこんな豪華なメンバーが集まるんだと驚きましたね。
視聴者も多く、試合のレベルが高くて面白かったですね。
RAGEで準優勝だったgamera選手がトップ8に残るも惜しく振るわず といったり、第1回予選大会の覇者であるえだ選手が初っ端からルーザーズに落ちてしまいそのまま負けてしまうなど、誰が勝ち進んでもみんな強いんだなという層の厚さがありましたもんね。
解説のG.X選手も「この参加者のレベルおかしいよ!」と驚愕してましたしね(笑)。
–強豪が集まる理由には、やっぱりオンライン大会だからこそってのはあるんでしょうね!
Makio:そうですね。
実際にTakaoka eParkでオフラインでやるとなると、あそこまで集まるかって言われると、そうでもなかったかもしれないので。
今回秋田から参加された方もいらっしゃると聞いているので、そういう遠くの方にも参加いただけるってのはオンラインのメリットですよね。
–今回GBVSは新シーズンになって間もなかったというタイミングでした。
Makio:新シーズンになって10日後に行われた大会でしたね。
各キャラクターのバランスの調整があったうえで、10日間で自分に合ったキャラをどこまで仕上げてこれるか、また新キャラのベリアルも出てきていたので、ベリアルを採用するのかや対策をどこまでできるのかなど、非常にバタバタしたタイミングでしたね。
そのあたりを上手く対応したのが、トップ8に残った選手たちだったのだと思います。
メインキャラを変えてベリアルを使う選手もいれば、gamera選手のようにナーフ(弱体化)されたジータを使い続けたりとか、選手それぞれでいろいろな参加の仕方があったことが特徴的でしたね。
特にグランドファイナルが盛り上がりましたけど、レン選手が最後の最後に元々の自キャラに変更して1勝をもぎ取るといったやり方もあったりと、「今このタイミングで勝つためにはどうするか」というのが垣間見えましたよね。
どのゲームもそうですけど、強すぎるキャラって必ず「お仕置き」がくるじゃないですか。
どこかで必ず調整が入るので、そう考えるとベリアルを今、大会に勝つために使い続けたとしても、今後弱体化されたときに自キャラに戻す可能性ってあるじゃないですか。
だから、ベリアルを使い続けるとリスクもあるんですよね。
今使っているベリアルの経験値は無駄にはならないですけど、自キャラに戻った時に、ベリアルを使わずに自キャラを使い続けていたらどっちが強いのかと考えることもできるので、今回のアプデから10日間後の大会への取り組み方が選手それぞれで違っていたのは面白かったですね。
–新キャラのベリアルは実際どうでしたか?
Makio:強いですね!
僕そんなに格ゲーをメインでやってなくて動画勢なんですけど、それでも「痒い所に手が届く」ようないろんなものが備わったキャラという印象でしたね。
結果的にも、ベリアルを使っていた選手がトップ8に残っていた傾向もありますし。
でも、実際は突き詰めていくと弱点があったりもするんですけどね。
今回は優勝したレン選手が強みを最大限に引き出したということなんだったと思います。
–レン選手が決勝戦のファイナルラウンドでキャラを変更した心理ってのは、どんなことが考えられるのでしょうか?
Makio:もちろん新キャラなので、使えてても10日間もないという状態で、逆に自分が元々使っていたキャラってその何十倍も使っているはずなんですよ。
新キャラだとキャラの相性も確立しているわけではないので、リセット前に3連続でラウンドを取られた嫌な雰囲気や相手の勢いや流れを断ち切るためであり、なおかつ自分が今まで使ってきたキャラで戦いたいという気持ちがあったんだと思います。
格ゲーには、相手の動きに合わせて反応する速さっていうのは反復練習によって培われるという研究結果があるんですよね。
そう考えた時に、今まで長く練習してきたキャラのほうが相手の行動に対しての最適な反応を出しやすいって考えて、馴れたほうのキャラを選択したっていうのもあるかもしれないですね。
–選手一人ひとりのキャラへの想いや今大会への対策が垣間見えたような大会でしたよね。
–続いてSV部門ですが、こちらもGBVS同様に新シーズンになってすぐの大会となりました。
Makio:SVはGBVSよりもさらに新弾が出てから期間が短かったうえに、事前にデッキ提出があったので、実質のところ4日間ぐらいしかないといったところで、選手たちの構築の上手さというか環境がどうなるのかと先を見通す力が強かった選手が勝ち進むのかなと思っていました。
プレシーズンの時に「守護ビショップ」が強いと話題になっていて、その「守護ビショップ」を素直に選択するのか、はたまた「守護ビショップ」に対応するデッキを持ってくるのかという読み合いはあったと思います。
それを踏まえて振り返ると、やっぱり参加者の中には「守護ビショップ」が多かったんですけど、トップ4に残った選手たちの計8デッキの中には「守護ビショップ」は2つだけということで、こういった2デッキのBO3の大会形式に合わせて上手くコントロールした選手が勝ち上がったという結果でしたね。
さらにいうと、決勝戦に残ったエイト選手とまりりん|BFF選手のデッキって「守護ビショップ」にめちゃくちゃ有利と言われているデッキではないんですよ。
有利とされる代表格のコントロールネメシスではない型のネメシスを持ってきていたんですよね。
それがどういう判断からなのか、どういう答えを出してその選択をしたのかというのは詳しくはわからないんですけど、そういうデッキを持ってきたってことはそれなりの考えがあって持ってきていると思うので、そこも興味深かったですね。
–今回の環境をどんなふうに見ていますか?
Makio:配信の時にも話していたんですけど、どのデッキもデッキパワーが高くて、序盤押されていても中盤以降の動きで捲ることがあったんですよね。
淡白な環境では1~4ターンで理想的な動きをされるとそこで試合が決まっちゃうことがあるんですけど、今の環境だと後攻側が中盤以降のターンで巻き返すことができたので、そこが印象的でした。
観戦していても、順調だなーと思って見てても、いつのまにか捲られている!とか、逆にいうと不利な状況でも返せるポテンシャルがあるデッキが多いので、有利をとっていても中盤以降に逆転の目を与えないようにするとか、不利な状況でも最後まで諦めずに勝ち筋を見つけるようにプレイをすることが今環境においてはより重要なんだなーと大会を通じて感じました。
–次のプレイオフでシーズンチャンピオンが決まります!どんな展開を期待していますか?
Makio:GBVSに関しては、第1回と第2回が北信越エリア在住の選手限定の大会で、第3回と第4回で参加対象枠を全国へと広げていったので、地元の北信越勢にぜひ、全国の強豪たちを倒してほしいなと期待しています。
新シーズンから1ヵ月が経ち、対戦相手も分かって対策も十分にできるので、プレイヤーにとっては予選よりもやりがいがあり、よりハイレベルな試合になるんじゃないかと楽しみにしています。
SVも同じで、環境が少し固まったころの大会となるので、第4回予選とは違った側面が観られると思っています。
なので、環境初期に勝つのが上手い人が中期後期で勝てるというわけではないと考えると、プレイオフではまた違った力が試されていく思います。
これからメタがどんどん変わっていくとなると、正しい情報をどれだけ掴めるかというのが重要になってくるので、その情報戦をいかに制するのかというのが鍵になってくるのではないでしょうか。
次回のプレイオフでは、両部門とも選手の「実力」が本当の意味で問われる戦いとなりそうですね。熾烈な戦いを楽しみにしたいと思います!Makioさん、ありがとうございましたー!